ケルベロス
(2002.5.2の記録)
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ケニアサンドボア(学名:Eryx colubrinus) Anerythristic
現在、全長で25センチほどです。
最初のうちは、ピンクマウスのSサイズを呑むのも辛そうな(※飼育者から見て)サイズでしたが、ピンクラットのSサイズ(=マウスならばファジー程度)を楽々呑み込むようになりました。糞や尿酸のサイズも食べた物の割に小さい、少ないような気がするのですが、餌の少ない砂漠に棲息するために効率よく消化する構造をしているのかもしれません。床材に砂を使用しているために固まるのが早い、という事もあるのでしょうが、掃除をしばらくサボっても大変な事にならないのは有り難い限りです。
飼育していて、特に問題がある蛇でもなく、砂を敷いたプラケースを28度の温室に入れて飼育していますが、順調に育っています。
砂漠棲の蛇ですが、脱皮前には水入れに入ったり、霧を吹くとプラケース側面に付着した水滴を舐めたりするので、「全く水が要らない」訳ではありません。(当然ですが…)
また、完全な「潜り系」で「殆ど姿を現さずに、飼育者は砂の入ったケージを眺めるだけ」かと思えば案外そうでもなく、何を思ったか、プラケースの蓋の内側に登っていたり、水入れの上にいたり、特に夜間は餌を求めてか、動き回る事が多いでしょうか。(これは個体差があるのかもしれません)
どう見ても動きが素早い蛇ではないので、安心して初めて外に連れ出してみましたが、傍目に分かるほどの緊張や困惑はないようでした。
ただ、私が飼育している他の地上棲の蛇に比べて「固い地表を這う」ことが非常に下手という印象を受けました。埋まった小石などの突起物を身体で吸収せずに、全身をぐらつかせながら、不器用にのろのろ這っている姿を見ていると、「砂地・潜る」に特化された方向に進化した蛇だ、と再認識させられました。手の平などに乗せたときは、指の股などに鼻先を突っ込んで「潜ろう、隠れよう」とするのですが、固い地面ではその様な行動は一切見られずに、ただ所在なく這い回るのみでした。
顔は、ボールパイソンに匹敵するくらいに「可愛らしい」のですが…(但し、Anerythristicだけです。他のバリエーションでは、目が黒目一色ではなく、所謂「猫目」に見えるためにまるで印象が異なります)
性格や行動に関しては「何考えてるかまるで分からない」というのがありすぎます。「蛇の気持ちなど分かるわけがない」というのを差し引いても、「怒っている」「嫌がっている」という程度は他の蛇ならば、そのリアクションから分かることが多いのですが、この蛇に関してはそれは皆無に等しいです。ケージから出そうとして抵抗する、身を平べったくして素早く潜って逃げようとする、という事はありますが、それ以外が全く理解に苦しみます。
・手の平に乗せたら、しばらく大人しくじっとしていたのに、何の前触れもなく突然手の平に噛み付いた。指先などの蛇の口に入るサイズの身体の部位を咬まれるのならば分かりますし、大概の蛇は手の平などの平面に噛み付くことは怒らせない限りはないと思っていました。咬む前に噴気音をあげる、鎌首をもたげる等の行動が一切ないので間合いが計れない、というのも困ったところです。
・餌を与えても、巻き付いたまま食べずに、そのうちに餌を放置して潜ってしまう。しかし、砂から掘り出して鼻先に突きつけると今度は巻かずに呑み込み始める。
食欲がない訳でもなさそうですし、一旦捕らえた餌を理由もなく放して放置するとは、蛇では考えられないこと、と思っていました。また、巻き付いて口を放した状態で新たな餌を近づけるとそれは巻かずに呑み始めるので、更によく分かりません。
どうも「明確なリアクションがない」事が「理解に苦しむ」事に繋がるようですが、本来は地中に潜んで地面を通りかかる獲物を待ち伏せているような種ですから、外敵に狙わるので警戒する、攻撃する、という思考回路は発達していないのかもしれない、程度の憶測は出来るのですが。
飼育技術以外のところで飼育者を悩ませた揚げ句に、「そしてその答えは永遠に出ない」蛇かもしれません。
それを「厄介・気味悪い」と思うか「面白い」と思うかによって、「飼育していて楽しいかどうか」の分かれ道、になるような気はしています。
…つまりは、飼育者の「気の持ちよう」次第で印象はどうにでもなる、という事でしょう。